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これって合法なの? 「PPAP」商標出願

執筆者:服部 秀一
更新日:2017年4月1日
 先日、テレビニュース等で「PPAP」等の商標を第三者が先取り的に商標登録出願している会社が存在していることが報道されました。
 調べてみると、その会社は、ベストライセンス株式会社(代表:上田育弘)という会社で、本人出願を加えると、2016年に約25,000件の商標登録出願を行なっております。

 商標登録出願を行なう際には、出願料として、特許庁に3,400円+(区分数×8,600円)、少なくとも12,000円を支払う必要がありますが、その会社は、出願料を支払わずに出願手続を行っているケースが多いとのことです。
 出願料を支払わずに出願された商標登録出願は、その後、出願料の支払いを求める手続補正命令が特許庁からあり、その命令に対応しないと出願が却下されるのですが、その会社は、出願が却下される前に出願を複数の出願に分割して新しい出願にする等して、却下処分とならないようにする延命対策を行なっているようです。

 この問題に対し、特許庁は、注意喚起しておりますが、法律的な対策は講じられておらず、このような手続を認めざるを得ない状況(合法)になっています。
https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/t_shouhyou/shutsugan/tanin_shutsugan.htm

 この問題については、商標法を改正したり運用を改訂したりして、例えば特別な理由がない限り出願時に出願料を支払わなければならないとする制度にすれば、このような第三者による先取り的な商標登録出願に関する問題は解決されるのではないでしょうか?

 このような対策が講じられない限り、そもそも合法であるので、悪意のない会社でも、使用する商標が複数ある場合に、それら複数の商標それぞれについて出願料を支払わずに出願するという対応が可能になってしまいます。
 中小企業等は、商標権の取得に必要となる費用を少しでも削減したいと考えますので、カタカナ字とローマ字を二段併記する態様や、ロゴ化したもののみを出願する等している実情にも関わらず、出願料を支払わずにカタカナ字、ローマ字、ロゴのそれぞれを出願しておくという対応も考えてしまいます。

 また、いわゆるストック商標(将来使用するかもしれない商標を先取り的に取得する目的のもの)についても、まじめに出願料および登録料を支払って商標権を確保しておくという現在の対策でなく、出願料を支払わずに出願のみ行い延命対策を行い続けるという、特許庁に何ら費用を支払う必要がない対策が、行われてしまうかもしれません。

一日も早く対策してもらいたいものです。

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