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商標登録されるべき?「フランク三浦」

執筆者:服部 秀一
更新日:2017年4月1日
 出願された「フランク三浦」商標の登録性に関する審決取消訴訟において、「フランク三浦」商標の登録性が認められる判決がありました(平成27年(行ケ)第10219号)。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/835/085835_hanrei.pdf

 その判決では、「フランク三浦」と「フランク・ミューラー」は商標として非類似(似ていない)と判断されています。
 商標が似ているか似ていないかの判断(類否)は、称呼・外観・観念を総合的に見て取り引きの実情を考慮して判断するとなっています。
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/940/053940_hanrei.pdf#search=%27%E6%B0%B7%E5%B1%B1%E4%BA%8B%E4%BB%B6+%E5%88%A4%E6%B1%BA%E6%96%87%27

 しかしながら、そもそも「フランク・ミューラー」という高級時計が存在しないかぎり、「フランク三浦」という時計を製造・販売しようとする動機は生じず、「フランク三浦」という時計が、ここまで有名になり売れるようになったとは思えません。
 この点については、その訴訟において「フランク・ミューラー」側が、フリーライド(信用のただ乗り)にあたるとか、ダイリュージョン(商標の希釈化)になると主張しておりますが、「フランク三浦」のパロディ時計の販売行為は商標の登録後の問題にあたるので失当と裁判所が判断しております。

 ここで、問題になるのは商標権という権利です。商標権を取得すれば、その商標権に係る商標および指定商品の範囲(専用権の範囲)において、第三者に模倣されることなく独占的に使用することが保証されることとなります。
 そうしますと、この判決によって「フランク三浦」商標の登録性が認められることになりますので、「フランク三浦」側は合法的にパロディ時計の販売行為を継続できることになります。
 いわゆるパロディ物だから、パロディ物が売れるということは、その本家の商品が有名で信頼されていることの裏返しであり、大目に見てもいいのでは? という考えもあるとは思いますが、「フランク・ミューラー」側は、何ら対策を講じることができないということになってしまいます。

 このような問題を扱う別の法律として不正競争防止法がありますが、それぞれが商標権を有しており、その専用権の範囲で使用しているにも関わらず、不正競争が成立し、使用の差止めや損害賠償の対象になると判断しえるものなのでしょうか?
 別の法律だから問題ないと、さすがに裁判所も言い切れないのではないでしょうか?
 なぜなら、商標権をもっても、不正競争防止法で不正競争と判断され、使用の差止めや侵害賠償の対象になるおそれがあり得るとしますと、そもそも商標権を取得する意味が大きく薄らいでしまいます。

 皆様は、この問題どう思いますか?

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